ドライブ中に、彼女の選曲で、「ユイカの好きだから」が流れた。
この歌詞の話になり、彼女から、「カッコいいから好きなんじゃなくて、好きだからカッコいい、だよね」と言われた。
そのときに、「あぁ、つまり、鶏が先か、卵が先か、ってことね?」と返すと、彼女が不機嫌になってしまった。
さて、なんと返すのが良かったでしょうか?
というLINEが、突然 兄から送られて来ました。
このクイズが良くあるコミュニケーションエラーを説明するための、教科書の例題みたいに良いクイズだったので、このクイズについて、考えたことを整理します。
今回の記事では、ちょっとした恋人同士のやり取りを例に、
- なぜ相手が不機嫌になったのか?
- どう返すと心地よい会話になるのか?
- そして、この構造理解を仕事や日常にどう活かせるのか?
を整理してみました。
「女心むずかしい!」で片づけていた人ほど、新しい発見があるはずです。
なぜ、彼女は不機嫌になったのか?
彼女が伝えたかったのは「歌詞の意味を一緒に感じてほしい」という気持ちでした。
「カッコいいから好きなんじゃなくて、好きだからカッコいい」という言葉には、ただの論理ではなく、心の実感がこもっています。
ところが、返ってきたのは「鶏が先か卵が先か」という論理的なたとえ話。

もちろん間違っていないし、ユーモアもある。けれど彼女からすると、心をシェアしたいタイミングに、頭で整理された返答が返ってきたことで「共感してもらえなかった」と感じ、不機嫌になったのです。
ここには「感情ベース」と「論理ベース」の会話モードのズレがあります。
どう答えたら良かったのか?
このシーンで彼女が欲しかったのは、正解の論理ではなく、共感の温度です。
たとえば:
- 「分かる〜!そういうことあるよね」
- 「この歌詞ほんといいよね」
- 「○○(彼女の名前)に言われると余計にしっくり来る」
さらに彼女の自己肯定感を高める返答なら、
- 「俺も、○○のこと可愛いって思う瞬間がどんどん増えてる」

こんな風に「あなたの言葉を受け止めてるよ」「あなたが大事だよ」という返答があれば、会話の温度がぐっと上がります。
ポイントは、「頭で考える答え」よりも「心で一緒に感じる答え」を選ぶこと。
日常の中でも良くある話す土俵のズレ
実はこの“会話モードのズレ”は、恋愛だけの話ではありません。

- 仕事の会議で、部下が「お客さんが不安そうでした」と感情ベースで話すのに対し、上司が「だから数値的にはどうなんだ?」と論理ベースで返す。
- 友人が「最近ちょっと疲れててさ…」と気持ちをシェアしているのに、「だったら早く寝れば?」と正論で返す。
こうしたやり取りの後に、「分かってもらえなかった」と感じたり、「真面目に答えたのに冷たいと言われた」とすれ違ったりするのです。
つまり、これは「男女差」ではなく、感情と論理という会話の土俵の違い。
どちらが正しいという話ではなく、「今はどちらのモードで話しているのか?」を意識するだけで、コミュニケーションエラーはぐっと減らせます。
私の失敗談
この「感情と論理のすれ違い」は、私自身も大きな失敗として経験しています。
子どもが生まれて間もない頃、妻が「ずっと抱っこしているから腰が痛い」と言いました。
そのときの私の返答は──「え、下ろせば?」。
今思えば、本当に最悪の返しでした。
当然、妻の表情は曇ります。
慌てた私は「そうか、下ろせない理由があるんだな」と考えて、「大丈夫?病院行く?」と続けました。
けれどそれも、やはり妻の心には届きませんでした。

妻が欲しかったのは、解決策や合理的な提案ではなく、ただ一言の共感。
「わ~そうだよね。大変だよね」と寄り添う言葉だったのです。
当時の私は「相手の問題をどう解決するか」に意識が向いていて、
「相手がどんな気持ちでそれを話しているのか」に意識を向けられていませんでした。
その違いが、妻をさらに孤独にさせてしまったのだと、今では強く反省しています。
まとめ
今回の「女子力クイズ」が示しているのは、
- 彼女は共感を求めていた
- 彼氏は論理で返した
- そのすれ違いが「不機嫌」という形で現れた
というシンプルな構造です。
恋愛でも仕事でも、人間関係の摩擦は 「正しさ」よりも「温度差」 から生まれることが多い。
だからこそ、「相手は今、心で話しているのか?頭で話しているのか?」と立ち止まる習慣が役立ちます。
「女心むずかしい!」で終わらせずに、
「会話のモードを合わせる」というシンプルな工夫。
これを実践できれば、恋愛も仕事も人間関係も、ぐっとスムーズになるはずです。
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